精神科・心療内科
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気分が落ち込む、眠れない、食欲がない、集中力がないといった状態が続く場合は、うつ病の可能性があります。うつ病は仕事、学校、家庭内の問題をはじめ様々な要因がきっかけとなり発症しますが、特にきっかけがなく症状が生じることもしばしばみられます。
うつ病にかかる割合はおよそ人口の6.5%、約15人に1人であり、決して珍しいものではありません。
当院では、まず現在の症状やきっかけと考えられる出来事などを伺い、状況をきちんと把握した上で、うつ病について丁寧に説明し、ひとりひとりの状況に合せて回復への治療をご提案いたします。症状のために生活に大きく支障がでている場合には、十分な休養と適切な薬物療法が回復につながります。
また、うつ病は繰り返しやすい病気であり、回復後には再発を予防してくための工夫が大切になります。薬物療法だけでなく、認知行動療法の併用も有効です。
高揚した気分が続く躁状態と、落ち込んだ気分が続くうつ状態を繰り返す場合は、躁うつ病(双極性障害)の可能性があります。躁状態では爽快な気分で元気がある一方で、状況に相応しくない行き過ぎた行動を取ってしまいがちです。自分では「元気があってちょうど良い」と感じることが多く、病相に気づきにくいことも特徴です。
うつ状態の症状は、うつ病で見られるものと同様です。うつ病と診断されて治療を受けていても症状がなかなか改善しない場合には、躁うつ病である可能性があります。その場合は、躁うつ病として治療を行うことで回復することがあります。
当院では、まずしっかりと症状やきっかけとなった出来事などを伺います。とくにうつ病と正確に鑑別するためにはこれまでの経過を把握することが大切です。そのうえで躁うつ病がどのようなものかを丁寧に説明し、ひとりひとりの状況に合せて回復への治療を一緒に行なっていきます。薬物療法の内容はうつ病とは異なり、またその時の状態像によっても異なるため、正確な見立てが必要です。躁うつ病は繰り返しやすい病気であり、良くなったあとも再発を予防する工夫が大切です。
統合失調症は突然あるいはだんだんと、幻聴や妄想に苦しめられたり、疲れやすく、意欲や集中力がなくなって生活に差し障りがでる病気です。急にわけのわからない行動を取ってしまったり、あるはずのないことを信じこんでしまって周囲が病気に気づくことがあります。原因ははっきりとわかっていませんが、遺伝的要因やストレスなどの環境的要因が発症に関係していると言われています。
約100人に1人がかかる疾患で、決して珍しい病気ではありません。
抗精神病薬と呼ばれる薬剤を中心とした薬物療法が大切になります。病気が始まってから、初めて治療を受けるまでの期間が短いほど治療効果が得られやすいと言われており、早期の発見と早期の治療が大切です。
当院では、まずはお困りのことについて詳しくお話を伺います。そのうえで、病気の特徴について丁寧に説明し、治療で症状を和らげながら上手に病気と付き合っていけるように支援します。
不安障害では過剰な恐怖や不安と、それに影響されて生じる特徴的な行動がみられます。パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、身体表現性障害などさまざまな疾患がこれに含まれます。
パニック発作は動悸や胸痛、めまいや息苦しさといった体の症状を伴う強い不安が突然生じます。また、発作がないときも「発作がおこるのではないか」という不安のために行動範囲が狭くなってしまうこともあります。社交不安障害は他のひとから注目されるような状況に対する過剰な不安や恐怖が特徴で、人前で食事や発表をすることなどが苦手でできるだけ避けようとするようになります。
強迫性障害では、頭にこびりついている考えやイメージが特定の状況で強い不安を伴って繰り返し浮かんできてしまい、なんとかこれを取り払おうとする行動をとります。例えば外出をしようとすると戸締まりやガスの元栓が気になって、何度も確認を繰り返してなかなか出発ができないことがあります。
身体表現性障害では、不安が身体の一部あるいは全身の症状として現れたり、自分が重篤な病気にかかっているのではないかという心配にとらわれてしまい、検査を受けて問題がないと伝えられても安心できないことがあります。不安障害の原因は解明されていません。脳の機能の異常といった身体的要因、或いは過度なストレス、心労、過労などの心理的要因など様々なことが影響すると言われています。
不安障害の治療には、抗うつ薬や抗不安薬を中心とした薬物療法や、認知行動療法などの精神療法が行われます。
当院では、まずは心配なことについて、その内容やおこる状況について詳しくお話を伺います。そのうえで不安障害がどのようなものかを丁寧に説明し、どのような治療法が良いのかを話し合います。臨床心理士による認知行動療法もお勧めしています。
空気が読めないとよく言われる、変わっているとよく言われる、じっとしていられずケアレスミスが多いなどの症状が幼少期から続いている場合は、発達障害の可能性があります。
代表的な発達障害としては、コミュニケーションが苦手でこだわりが強い自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群を含む)や、多動で衝動性を抑えられない注意欠如多動性障害(ADHD)があります。
小児期から発達障害と診断され治療を受けてきた方と、大人になってから診断を受ける方がおられます。大人になってから診断される場合には、職場や家庭などの環境に対してうまく対応できないことで周囲から発達障害が疑われることも少なくありません。
当院では、まずは今お困りのことについてお話を伺います。発達障害の診断には、幼少期からの情報が重要になりますのでできるだけ詳細に生活歴についてお尋ねします。通知表やご家族からの情報も大切です。そのうえで、発達障害の特徴について丁寧に説明し、ひとりひとりの状況に合せて必要な工夫を一緒に考えていきます。また必要に応じて、薬物療法を併用します。
ものわすれ(記憶障害)がだんだんと目立つようになる場合は、認知症の可能性があります。言葉が思い出しにくくなったり、新しい場所にたどり着くために以前よりも工夫が必要になったり、気力がわかなかったりそわそわしやすくなることもあります。より症状が重くなると、判断力が低下して日常生活で見守りや介助が必要になります。
65歳以上で認知症の方は、およそ6人に1人であり、超高齢社会を迎えた日本ではさらに増加傾向にあります。認知症の原因となる疾患は様々ですが、その代表的なものは記憶障害から始まり、ゆっくりと様々な症状が出現するアルツハイマー病、震えや小刻み歩行などの運動症状に加えて、あるはずのないものが見えるレビー小体型認知症、脳梗塞や脳出血などをきっかけに発症する血管性認知症、融通がきかない決まりきった行動や抑制のとれない行動が目立つ前頭側頭型認知症などがあります。
多くの認知症は、残念ながら治癒は難しいものですが、早期に発見して治療や介護計画を早め早めに立てていくことはとても大切です。気になる症状がありましたらお早めにご相談ください。
当院では、ご本人とご家族から十分に問診を行い、認知症について丁寧に説明して今後の治療についてご相談します。介護サービスを適切に利用していくことも大きな支えになりますので、関係機関とできるだけ密に連携するように心がけています。脳画像検査や脳波検査、詳細な認知機能検査が必要な場合には、実施可能な医療機関をご紹介します。
健康上の問題、経済的な問題、対人関係の悩みなどのストレス因から、さまざまな心身の症状が現れ、社会生活に支障をきたしている場合は、適応障害の可能性があります。
なんとか頑張って乗り越えようとするうちに、抱えきれなくなってしまい症状が現れます。ストレス因が続く場合には、症状も持続してしまいがちです。持続する場合には症状が長引くこともあります。本人の適応能力の問題だけとは限りません。どうしても合わない仕事や人間関係に悩み、努力はしてみたがどうしようもなかった場合に気分が落ち込んだり、夜眠れなかったりなどは、誰でも一度は経験しているものです。日常生活に支障がでるような症状がある場合は、ご相談ください。
おひとりで悩んでいると辛いものです。当院では、まずしっかりと症状やきっかけとなった出来事などを伺います。そのうえで、適応障害がどのようなものかを丁寧に説明し、ひとりひとりの状況に合せて回復への治療を一緒に行なっていきます。例えば、職場環境の調整が必要な場合には、会社の相談窓口の担当者や産業医などと相談していきます。また、症状に応じて適切な薬物療法を行います。
眠れないことでお困りの方は少なくありません。それ以外にも、昼間に眠たくて仕方ない、眠っている間に間違った行動をとってしまう、睡眠覚醒のリズムが乱れて戻せない、など睡眠障害にはさまざまなタイプがあります。
睡眠障害によって日中の眠気やだるさ、集中力の低下などが引き起こされると、日々の生活に支障をきたすようになります。また、睡眠障害が長期間持続すると、生活習慣病やうつ病などにかかりやすくなると言われています。そのため、睡眠障害は放置せず、適切に対処したいものです。
当院では、いつ頃から症状が始まったか、日々の生活の様子はどうか、いつのまにか身につけてしまった睡眠を妨げるような習慣はないか、など詳細にお話を伺います。そのうえで、睡眠の記録をつけていただくことをお勧めし、必要であれば薬物療法を行います。睡眠薬を用いる場合には、できるだけ少量で、治療のゴールを明確にするように心がけています。適切な睡眠習慣を身につけるために認知行動療法も実施可能です。また、終夜脳波検査が必要な疾患が疑われる場合には対応できる医療機関をご紹介します。
仲間と共にお酒を飲み交わす時間は楽しいものです。しかし、いつのまにかコントロールをしながら飲酒することが難しくなり、その結果として肝機能障害などの身体疾患に罹患したり、職場や家庭内での問題につながってしまうことがあります。
このような状態になると、飲酒をしているときはもちろんのこと、飲酒をしていないときでも過剰な飲酒欲求に影響されて、本来のその人らしさとはかけ離れた言動や行動が見られるようになります。自分自身ではアルコール使用の問題があることに気づきにくいことも特徴です。
当院ではこれまでの飲酒歴や生活の様子について詳しくお伺いし、治療目標について話し合うようにしています。断酒することが最終目標になる場合でも、まずは減酒から取り組んでみることが有効な場合があります。アルコール治療の専門プログラムを受けることが望ましい場合には、実施可能な医療機関をご紹介します。
てんかんとは、慢性の脳疾患で、大脳の神経細胞が過剰に興奮することによる発作症状を繰り返す疾患です。その原因は様々で、おおよそ100人に1人の割合でおこると言われています。てんかんというと子供のかかる病気というイメージがありますが、実際には高齢期まで各年代で発症する可能性があります。全身が痙攣して気を失ってしまうタイプの発作もあれば、お腹からこみ上げる気持ち悪さだけが自覚されるタイプの発作もあり、その症状は様々です。てんかん発作に関連して、一過性の幻聴や妄想などの精神病症状が出現することもあります。
当院ではまず発作の性質や起こり方について、ご本人やご家族から詳しくお伺いします。そのうえでてんかん発作、てんかんについて分類し、適切な薬物療法を行うように心がけています。飲酒や睡眠不足など、生活習慣によっても発作が増えてしまうことがあるため、日常の過ごし方についてもよく話し合えるようにします。脳波検査や脳画像検査については、実施可能な医療機関に依頼します。また、複数の薬剤を用いても発作が改善しない場合には、より専門的な治療を行える医療機関をご紹介します。
パーソナリティ障害、摂食障害、アルコール以外の物質使用障害など、他にも様々な疾患があります。お悩みのことについて、ご相談ください。
毎週木曜日午後、土曜日に公認心理師による認知行動療法を実施しています。基本的に外来診療と並行して行いますので、ご希望の場合はお気軽に医師にご相談ください。
(保険診療に加えて予約料(選定療養費予約料) 1,650円が必要となりますのでご了承ください。)
(*)選定療養費(予約料)について
厚生労働省に定められた「予約に基づく診察に関する費用」(予約料)に関する選定療養費をいただいて、ご希望の患者様へ予約料をいただき、認知行動療法の診療を行っています。